建設工事において資材の選定は、品質や施工効率に大きく影響します。
コンクリートや金属などの建設資材にはそれぞれ特徴があり、適切な用途で使い分けることが重要です。
この記事では、和歌山県を中心に全国のインフラに関連する公共事業に携わっている【有紀機材】監修のもと、主要な資材の種類と特徴、現場ごとの使い分け方をわかりやすく解説します。
建設資材の種類と特徴、そしてその用途
建設現場で使用される資材は多種多様で、それぞれが特定の性能と用途を持っています。これらの資材を適切に選択し使用することで、建築物やインフラの安全性、耐久性、機能性が確保されます。

コンクリート・セメント系資材
コンクリートは、建設資材の中でも際立った汎用性を誇り、構造材、基礎材、舗装材として幅広く活用されています。その主要成分であるセメントは、水や砂利・砂(骨材)と混ぜ合わされることで化学反応を起こし、時間とともに固まって強固なコンクリートを形成します。
主な用途
- 建物の基礎、柱、梁など、構造体の主要部分を形成します。
- 土木分野では、橋梁、ダム、道路舗装、トンネルなど、大規模なインフラ建設に不可欠です。
- 工場で成形・養生されるプレキャストコンクリート製品(二次製品)としては、塀、マンホール、U字溝、側溝などがあり、現場での施工効率と品質安定に貢献します。
資材種別 | 用途 | 特徴 |
生コン | 基礎・柱・梁 | 高い強度と成形自由度に優れる |
モルタル | 仕上げ・補修・接着 | 施工性が高く、細部対応に適す |
プレキャスト品 | 側溝・擁壁・舗装材 | 工場製造により品質が安定する |
コンクリートは強度、耐火性、施工の自由度に優れる一方で、硬化時の乾燥収縮によるひび割れ(クラック)や、温度変化による伸縮への配慮が設計・施工上重要となります。適切な配合と養生により、これらの課題を克服し、長期的な安定性を確保できます。
鉄・鋼材など金属系資材
鉄や鋼材は、その優れた耐荷重性と剛性から、建設構造において不可欠な資材です。特に鉄筋コンクリート(RC構造)や鉄骨造(S造)の建築物では、その骨格を支える中心的な役割を担います。
主な金属資材の例
- 鉄筋: コンクリートの弱点である引っ張る力(引張力)を補強するために、コンクリートと組み合わせて使用されます(RC構造)。
- H形鋼・角形鋼管: 柱や梁として使用され、大規模な建築物の骨組みを形成し、高い耐震性を実現します。
- 鋼板・金属パネル: 屋根材や外壁材として使用され、建物の軽量化や意匠性向上に貢献します。
- 鋼矢板・軽量H形鋼: 土木工事において、地盤の安定や仮設構造物の形成に多用されます。
鋼材は加工性や強度に優れる一方で、錆(サビ)の発生を防ぐための防錆処理(塗装やメッキなど)や、高い施工精度の確保が求められます。特に土木資材としては、鋼矢板が土留めや護岸工事に、橋梁用鋼材が長大な橋の建設に不可欠であり、その耐久性と信頼性が求められます。
建築・土木資材の違いや分類を正しく理解したうえで、現場に最適な資材を選定したい方は、有紀機材にご相談ください。
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調達の流れと注意点
建設資材を適切に使用するためには、安定した調達体制の構築と、販売条件の事前確認が欠かせません。特に大規模な建設工事や短納期案件では、調達ミスが工程全体に影響を及ぼします。ここでは資材の仕入れルートと販売形態、さらに納期や在庫管理に関する基本的な注意点を解説します。
仕入れルートと販売形態
建設資材の調達は、資材の種類や現場の規模に応じて複数の方法があります。取引先の選定と流通経路の理解が、安定供給の鍵を握ります。
主な仕入れルート
- 一次商社(メーカー直取引):大量仕入れ向け、納期調整や製品指定が柔軟
- 二次・三次商社(卸業者):汎用材の一括調達、在庫対応力が高い
- 専門商社・施工業者経由:特殊資材・建築資材の細かい仕様に対応
- レンタル・リース業者:仮設材・設備資材など短期利用向け
販売形態には以下のような種類があります。
販売形態 | 特徴 | 向いているケース |
現金販売 | 即時決済、価格は比較的安価 | 小規模現場、短納期調達 |
掛売(信用取引) | 月末締め翌月払いなどの条件設定可 | 継続現場、協力業者との取引 |
見積都度契約 | 特注資材や不定形材で多用される | 製品仕様が流動的な場合 |
建設資材は単価よりも調達の柔軟性・納品対応・アフターフォローが選定基準になります。特に土木資材のように大型・重量物を含む場合、納品時間や搬入経路への配慮も必要です。
納期・在庫・発注ロットの確認事項
資材調達で最もトラブルになりやすいのが「納期遅延」「在庫切れ」「ロット条件の誤解」です。工期と物流のバランスを確保するためにも、次のような点に注意が必要です。

調達前に確認すべき項目
- 納品日とリードタイム(繁忙期や受注生産品は納期が延びやすい)
- 在庫の有無と数量確保(複数現場で重複する可能性も考慮)
- 発注ロット数(最小注文単位が決まっているケースが多い)
- 配送条件・車両制限(4t車不可、ユニック必要など)
- 返品可否と対応期間(製品不良・型番ミス時の対応条件)
とくにセメントや鉄などの土木資材や重量建築資材では、出荷制限や在庫制約が付きやすいため、早期の見積・在庫問い合わせが重要です。
また、現場での急な仕様変更や施工方法の変更が発生した際、迅速な再発注対応が可能かどうかも事前に把握しておくとトラブルを防ぎやすくなります。
まとめ
建設資材は、コンクリート・鉄・配管など多様な材料があり、それぞれに適した用途と機能があります。資材選びでは、施工環境・JIS等の品質規格・トータルコスト・施工性を総合的に判断することが重要です。また、仕入れルートや納期・在庫管理も工期や品質に直結します。こうした要素を正しく理解し、最適な建築資材・土木資材を選定することで、建設工事の安全性と耐久性が高まります。
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